ピアノ愛のはじまり③　〜グランドピアノを見つける〜

休日にタイミングがあえばグランドピアノを探しに行くことが楽しみとなりました。

家族とお出かけ中でも中古ピアノ店を見つけると入ってみたくなり、無理言って時間をもらい店舗を確認するという、まるでパトロールです。ここまでくると中古ピアノを探すことになるだろうと思いはじめました。経済的にもやはり安心感がありますし。

ゆっくり時間をかけて出会いを待つんだという気持ちも湧いてきました。

無理なく好きなものを選ぶという気持ちになってくると、なぜかどんどん前向きになってきました。迷いのトンネルを抜けたような気分です。

中古ピアノですが、おもしろく個性の違いを感じます。

同じものがなく音色もタッチも実にそれぞれです。同ブランドであっても明らかに違います。まさに弾き比べが重要になってきます。

鍵盤が滑るような柔らかなものもあれば、ずっしり思い鍵盤もあります。

高音が響くようなピアノがあれば逆に重低音の響くピアノもあります。また中間的に無難な音色ですが逆にそれが安心感があるなど、同じ音階のはずなのですがそれぞれりっぱな個性があります。

とても面白いですよね。

ここまで個性があると、年数であったり、ブランドであったりということが気にならなくなってきました。また中古店であればその店舗で十分に修理や調律も可能になりますので、メンテナンスの部分でも安心感があり選択の幅がグッと広がりました。

子供の頃から耳に慣れている音といえば高音の響くタイプ。細くてスッと突き抜けるような音です。鍵盤は柔らかいものが好みです。ということに気づいたのもこの弾き比べをすることによって気づかされました。

わたしってなんだかすでに確立したものがあったんだと（笑）

面白いことに年数が新しいものほど違和感がありました。状態が良いはずなのですが、なんだか気になる、タッチも音質もしっくりこないのです。そうは言ってもやはりメンテナンス等を考えれば年数が新しいものがいいはずです。

ここでまた矛盾のような、ちぐはぐになってきた感がありました、私はどのピアノと出会うのでしょうかね〜。

そうこうしているうちに半年くらい経った頃でしょうか。。ほんわか心惹かれるピアノに出会います。一目惚れではなく初めは気になるという程度です。（遠い昔の恋愛のよう？）

何度か店舗へ赴き、何故惹かれているのかを検証しはじめる。音がいいんです。気持ちよく聞こえるし、タッチもいいんです。

鍵盤は黄ばみがなく綺麗です。でも鍵盤２本にうっすらヒビが入っていました。実際にその箇所を弾いてもなにも問題はないようですが途中で折れるのではないかと気になるところもあるのです。ブランドはKAWAI製です。

はじめてピアノを購入する子供の頃にカワイピアノを実際に弾いたことがあります。幼児のころでしたので記憶もあてにならないのですが、びっくりするほど鍵盤が重かったのを今だに覚えています。なのでKAWAI製は全く予定にはしていませんでした。

ですがこのピアノに関しては、鍵盤はやわらかくスッと入りタッチの調整もしやすいですし、音にも私好みなので惹かれているのです。

店舗の方によると古いピアノであるということです。外見からは古さを感じられなかったので、おそらく以前の持ち主の方がきちんとメンテナンスをし、そして弾き続けていたのだろうと思いました。全体的に私好みのピアノです。

でもやはり気になるのが古いピアノを持っても良いのだろうか。

新しい？迷いが出てきたためこの日は一旦帰ることにしました。

それからも迷いは続き、もう一度店舗へ向かいます。やはりこの子が今までの中でいいのです。後悔はしないはずだと思えるのです。この日は値段交渉まで進みましたが、やはり決心がつかず帰ることにしました。

それにしてもなかなか決心がつかず、お世話になっているピアノの先生に相談することにしました。わたしよりもはるかにピアノ関しては詳しいはずです。

今回グランドピアノの購入について気になっている点を伝えました。中古であり鍵盤２本にうっすらヒビがあること、そして古いピアノであること。

ところが先生曰く、好きなピアノであることが大切であり、先生の所有するピアノは年代ものであるとのこと。好きな音色を選んで所有しているとのことです。鍵盤に関してもこの程度ならなんともないとのことでした。

あらら、意外にも難なくスルー。

これで私の迷い一気にばぶっとびました。単純なんですね。。。

さっそく店舗へ連絡し購入する意思を伝えました。

決心がついて嬉しい。それにしても時間がかかりましたね（笑）

半年以上迷いましたので決心がついたときは心地良かったです。不安がなくなりました。急いで決めなくてよかったと思いました。

ピアノ練習中。まだまだ修行中。。。

ピアノ愛がとまらない